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渡米生活。(日記)

渡米生活。本家から切り離しました。あまり渡米生活に関係のないプログラムネタや音楽ネタなど。

ピアノの初見の練習その後

以前、本家ブログの方で、「マムシ指の害 ── 楽器を習うときに気をつけること」というタイトルで、延々とピアノを習うときに気をつけるべきだったこと、というエントリを書き、その後、こちらのブログで「ピアノの初見の練習」というエントリを書きました。

…で、びっくりしたのが、この二つの記事、意外に閲覧数があるのです。
そのくらい、マムシ指や初見で困ってる人、たくさんいるんだろうなあ…

というわけで、なんか書き散らかしてそのまま、というのも居心地悪いので、その後どうなったか、経過をご報告します。


1)この際、生ピアノへの拘りは捨てました!

これ、私にとっては、実は結構大事でした。
やっぱり、仕事やってて、生ピアノをそれなりに練習するなんてのは、相当恵まれた環境でないと無理。
夜9時以降は音が出しにくい、というだけで、もう殆どの練習の機会は削られたようなものです。

正直、どうしても電子ピアノは嫌でした。でも、そんなこといってたら、いつまでたっても初見の練習なんて出来やしない。今どうしてもやりたいのは、ショパンやらベートーヴェンやらがバラバラひけるようになりたい、じゃなくて、人並みに楽譜を見ながら弾きたい、それが一番なんです。

で、初見の練習は、実は頭の訓練でもあると分かったから、まずはそこを鍛えることに集中して、指を鍛えるのはこの際後回しでもいい、と思い切って、KAWAIのCA95を買いました。痛い出費だったけど、ここが我慢できるギリギリの線。

で、買ってみて、いくつか発見がありました。
色々な人が言ってますが、このクラスの電子ピアノなら、状態の悪いアップライトピアノより良い面もあります。

それは、音色がタッチによって変わりやすいこと。
実はこれが電子ピアノの悪い面でもあって、簡単に変わりすぎるので、いざ生ピアノに切り替えたときに全然音色の変化がつかない、タッチが雑になっている、という話もききます。

でも、安くて状態の悪い中古のアップライトピアノでは、どんなに頑張っても音色のバラエティが乏しいのも事実。
そうすると、段々諦めちゃうんですよ。音色を変える努力を。
テンポの遅いメロディラインくらい一音ずつ少しずつ音色を変えて…とか頑張る気にならないし、そういう音楽をやろう、という想像力も萎んでいってしまう。
今電子ピアノでやっていることが、生ピアノに切り替えたとたんに出来なくなるかも知れない。でも、やりたいことが分かっていれば、努力は出来る。
しかし、そのやりたいことが思いつかないような楽器で練習していたら、生ピアノに切り替えたってやっぱり何もできないでしょう。

以前はこんなこと考えなかったんですが、ビオラを素人ながら少しやって、安い学校の貸し出し楽器から自前の楽器に変えたときに、「こんなことも、あんなこともできる」と夢中になった経験のお陰で、ある程度反応のよい楽器を使わないと想像力も育たない、というのが実感で分かるようになりました。
まあ、私がいままで使っていたアップライトの生ピアノは、なにしろ100ドルで譲ってもらったシロモノですから、音色の変化なんてまるでなかったので、それに比べたら、って話ですけどね。

もう一つ、私にとって良かったことは、電子ピアノは力が要らないこと。
昔教わった卵型に指を立てるタッチから、もっと平べったい指の形に変更するのに、殆ど抵抗がなかったということです。
平べったい形でも、きちんと腕の力を抜いて指先にうまく腕の重さを乗せて弾くときと、そうでない時の音の差は出ます。
実家のグランドピアノだと、鍵盤が重過ぎて、今の私の指の力ではどっちで弾いてもあまり音色の差を出せないのです。
そうすると、ついつい、簡単にクリアな音が出せる昔の指の形に戻っちゃう。
でも電子ピアノだとわりと簡単に差が出るので、今のタッチがまずかった、というのを音で判断できるし、力も要らないから指を立てなくて済む。昔生ピアノで練習していた頃より、どうやったら腕の力をうまく抜けるかの試行錯誤が、やりやすくなったと感じています。
また、力がいらないので、今のところ、マムシ指になって親指の付け根が痛い、ということもありません。

音楽をこれから始める子供に電子ピアノを勧められるかどうかといったら、そこはどうかな、という気はしますけど(子供はそんな夜遅くに練習しないし)、私みたいな大人になってからまたピアノやろうかな、って人には電子ピアノも案外いいのかもしれない、と思いました。
そのうち本気で再開したくなったら、その時に買い替えることになるかもしれませんが。


2)バーナムの初見、依然継続中。

以前のエントリでも紹介した、以下のホームページに書いてあった方法です。

ピアノが上手になる、超簡単ヒント集

会議があったり忙しかったりで、かなり進みは遅いですが、それこそ(電子ピアノのお陰で)夜中でも弾けるので、中断しながらもなんとか続いています。

で、何故バーナムなのか、段々わかってきた。
バーナムって、譜面簡単そうなのに、滅茶苦茶音域が広い!
だから、加線だらけの楽譜や、和音がガンガン飛ぶような楽譜への恐怖心を克服するには丁度いいんです(まだ克服できてないけどね)。

残念ながら、十代の頃のようには、思ったところに手がいかない、手の形もすぐに和音の形にならない、という問題があって、私は結構ミスタッチします。でも、昔みたいにムキになって弾けるようになるまで同じところを繰り返しては練習しない。
機械的に手に覚えさせたって結局時間の無駄、って自分で証明しちゃいましたからね。

この年になってまだ改善する見込みがあるとしたら、それは脳味噌の処理能力です。処理する速度を上げることと、マルチタスクに慣れさせること。脳味噌だけは、若い頃の発達速度にはかなわないものの、鍛えれば一生回路を育てることが出来る。
同じ音の連続で間違わない、上段と下段の楽譜を一緒に見る(一点注視しない)、間違えたら、それを覚えておいて次に同じミスをしないようにする、、、となると、同じ課題を出来るまで繰り返してしまっては意味がないのです。手が覚えちゃうから、脳の訓練にならない。

で、成果はどうかというと、確実に初見の速度と手の反応速度が上がりました。
一応ベートーヴェンソナタまでやっておきながら、昔はブルグミュラーすら初見ではまったく弾けなかったのです。
それが出来るようになっただけでも、大進歩です。
…というか、それ以前に、昔は如何に自分が頭使わずに弾いていたか、っていう情けない話なんですが(大汗)


3)今更なんだけど、和声コード覚えようかな、と。

なんでこんなことを考え出したのか、というと……

和音のコードがわかれば、和音の進行がある程度絞れる。そうすると、脳味噌の処理で多少楽が出来る。

…というのは、散々身近な音楽家の例で見ているので、これが出来れば多分かなり楽になるはず、というのが一点。

もうひとつは、今更無理かもしれないが、ナッチャッテでいいから絶対音感身につけられないかな、という野望です(笑)。

実は、私は、単音なら音当てが出来ます。後ろ向いて、誰かに鍵盤おしてもらって、何の音か当てる、ってやつ。これなら100%間違わない。
ところが、これが曲になっちゃった途端、すっかり分からなくなってしまうのです。

よく移動ド、とか固定ド、とかいいますが、移動ドならまだいい。何故か、変ホ長調ヘ長調に聞こえちゃったりとか、ホ短調ト短調に聞こえちゃったりとか、もう滅茶苦茶なのです。

なんでメロディになったり、和音がついたりした途端に分からなくなるのかは自分でも分からないが、それでも最近気がつきました。
どうやら、自分は、その調がもつ色みたいなものは、分かる調があるらしい。全部じゃないんですが、ハ短調とかかなり分かりやすいものもある。

実は、管弦楽曲の場合、それは別に珍しいことでも何でもなくて、作曲家はその調の色味を考慮して調性を決めています。これは、管楽器も弦楽器も、調によって鳴り方も演奏のしやすさも違うから、物理的にそうなってしまう、という面があります。
(以前、身近な作曲家にフォーレの楽譜を見せて、なんでこの楽譜は♭6つもついてるんだ、とぼやいたら、「そんなもの、思いっきり弾いてほしくないからに決まってるだろ」と切り返された……作曲家の本心を見た瞬間だった。。)

しかし、それだけではない、という気もする。やっぱり、音の高さによる違いが、高さという面でははっきり分からなくても、調から感じる印象の違いとしては捉えられていることがあるんじゃないかな、と。

ピアノの場合、調によって鳴り易さが違うかどうかちょっとよくわからないのだけど、なんとなく、やっぱり調によって色が違う、という気がします。
というわけで、音の高さで何ヘルツ、とかいうのは、今更やっても絶望的なんですが、調くらいは当てられるようにならないかな、と思ったのがきっかけでした。(だからナンチャッテなんだけどね)
調が当たれば、ピアノのどこ弾けばいいか分かるから、何調、と感じた瞬間にその場所に手がいく練習をすればいいので、そこまで分かればヘルツがわかる必要は(私には)ない、というわけで。

実のところ、多分和声に関しては、真面目に和声の勉強するのが一番手っ取り早いんだろうな、とは思います……。しかし、流石にそこまでやる時間はないからなあ。ハマると、パズルみたいで面白いんですけどね。


…というわけで、進みは遅いが、一応効果はあるみたいです、初見の練習。
当面の目標は、バッハのインベンションを初見で弾けるようになることかなー。